備忘録/好きなものの話/日常

※いつか漫画にしたいなあという気持ちを込めたメモ

トイレから芹沢のすすり泣く声が聞こえる。
必死に抑えようとしてはいるものの、あふれてしまう様子。
霊幻がフォローに入れないタイミングで客からダメ出しをされた。

「芹沢」
トイレの外から声をかける。
芹沢は泣いているのを気づかれまいと、数秒後になるべく呼吸を落ち着けて「はい」とだけ答えた。
あくまでそれに気づいていない風を装って続ける。
「トイレ中悪いな。明日予約入ってる客、前にトイレが汚いって文句言ってきた人でさ。ついでにそのままトイレ掃除してくんねえ?どれだけ時間かけてもいいからピカピカに頼む」
鼻をすする音に続けて「わかりました」と返って来た。

1時間ほどしてから、芹沢はすっかり落ち着いた様子で終わりましたと報告してきた。トイレは本当にピカピカになっていたので「これなら大丈夫だな。ありがとな。俺はお祓いグラフィックもあったし、助かったよ」と返すと、少しぎこちなかったが、笑顔が返って来た。

芹沢の退勤時間になり、お疲れさまでしたと挨拶の後ドアが閉まるとエクボがにやにやしながら話しかけてくる。
「耳障りのいい言葉を並べてなだめすかしておだてて、気分よくしてやるかとおもったら、随分まわりくどい慰め方するじゃねえか」
「ショック受けてんだったらそうするけど、あいつのは悔し泣きだろ。自分の理想に今の自分が追いついてないんだ。あいつだってわかってるのに、そんなことしたら逆効果だろうが」

エクボは鼻で笑う
「随分気に入ったもんだな」